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2026 Private Equity Outlook
Commentary 12月 2025

Private Equity Outlook: Resilience, Reset and Resurgence

2026 年の主要テーマ

  • 金利の正常化、年月を経たポートフォリオにおける魅力的な資産価値、そして企業による合理化を背景に、ディール活動は加速しています。
  • 急速な拡大期を経て業界がリセットに向かう中、統合が進むとみられ、機会は主に規模と運営面の規律を備えた運用会社に向かうと予想されます。
  • 人工知能革命が主導する脱グローバル化とデジタル化が必然的に生産性向上を推し進める中、オペレーショナルトランスフォーメーションを必要とする資本財企業には大きな機会が広がっています。

困難な時期を経て、追い風とメガトレンドが業界を再び活気づけています。私たちにとって、これからの1 年を要約する言葉は3 つ、レジリエンス、リセット、そして復活です。この新たな時代においては、事業運営の専門性こそがリターンの最も重要なドライバーとなっています。

レジリエンス

プライベート市場のディール活動は好転しつつあり、第2 四半期の関税による一時的な混乱にもかかわらず、2025 年上半期には買収件数が明確な持ち直しを示しました(図表5 参照)。ディール金額は2021 ~2022 年にピークを付けた後大きく落ち込みましたが、現在はより正常化した水準に戻り、2018 ~ 2019年の水準を上回っています。

Figure 1: Deal Value Is Rebounding in Private Markets

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Figure 5

Source: Bain & Company, 2025 Private Equity Midyear Report.

10 年間にわたり拡大してきたプライベート市場の取引マルチプルは、過去5 年間ほぼ横ばいで推移しており、まだ本格的な調整には至っていません。業界全体としては、近年、資産の売却に苦労してきました。買収資本の約3 分の1 は4 年以上も前のものであり、未実現のポートフォリオ価値は世界全体で3.5 兆ドルに迫っています17

こうした状況に加え、米国と欧州で追加の利下げが見込まれることから、2026 年にはディール活動がさらに活発化すると考えられます。ポートフォリオは、一定期間を過ぎれば取引せざるを得なくなるのです。

Owning Change in a Transforming World

This piece is included in our 2026 Investment Outlook Report, which is anchored by insights from the CEOs across our global platform. 

リセット

過去10 年間、プライベートエクイティ業界は急速に拡大しました。運用会社が低コストのデットを活用して資産を取得し、その後の市場成長やマルチプル拡大の恩恵を受け、限られたマージン改善でもリ
ターンを高めることができたためです。しかし、これは持続可能なトレンドではありませんでした。数年前に高いバリュエーションで資産を取得した多くの運用会社は、現在、取得時より価値が下がった事
業を抱え込んでおり、結果として優良な資産が割安に市場に出回る状況が生まれています。

また、ゼネラル・パートナー(GP)が急増した10 年を経て、市場は再調整の局面にあります。運用会社数は調達資金の伸びを大きく上回って3 倍に膨らみ、資金調達目標と利用可能な投資家資本の間には3 対1の不均衡が生じています18

2026 年には、この業界がリセットを開始し、統合が進む時代にあって、最大級の規模と運営面での規律を備えたプレーヤーが優位に立つと見ています。今後24 ~ 36 カ月は、統合が最も急速に進む局面となり、特に差別化された運営能力を持つミッドマーケットGP の統合が進むでしょう。業界が縮小する中で、こうした能力が生き残りのためのツールとなります。最も恩恵を受ける運用会社は次の4 つの特性を共有しています。

  • 複雑な取引を遂行できる規模
  • 情報優位性をもたらすセクターの専門的知見
  • 買収後の価値創出を実現する運営能力
  • 具体的なパフォーマンスレバーに立脚した、焦点の定まったコントロール可能な投資テーマ

新たな時代において、運用会社はこれまで以上に努力し、リターン獲得のためにはマルチプルの拡大ではなく、マージンの拡大に注力することが求められています。ブルックフィールドのプライベートエクイティは歴史的にこのアプローチを採用しており、創出された総価値の50% 超が業務改善によるものです19

この数字は、依然として安価なレバレッジに依存し続ける運用会社に厳しい現実を突きつけています。例えば、金利5%・借入比率(LTV)70% の取引で20% の内部収益率(IRR)を達成するには、4 ~ 5%の利益成長が必要になります。しかし、現在のように金利が高い環境では、金利7.5%・LTV55% の取引で同じ20% のリターンを得るには、ほぼ倍の8.4%の利益成長が求められます。

プライベートエクイティ投資の新時代においては、ファイナンシャルエンジニアリングを必要とする限界的なディールはアンダーパフォームするでしょう。リターンの新たなドライバーは、運営の卓越性です。

復活

産業転換

魅力的な投資機会は、目の前にあるのに見過ごされることがあります。資本財企業が見過ごされ、過小評価されがちなのは、その製品が時代遅れだからではなく、多くの企業が近代化、設備能力、運営能力への投資を十分に行ってこなかったためです。その結果、優れた資産や市場ポジションを持ちながらも、競争力が低下しているケースが少なくありません。

こうした企業を変革するには、プライベート資本がますます必要になっています。パブリック市場は乱高下するため、資本財企業の経営陣は、意味のある変化をもたらすには四半期ごとの業績評価ではなく長期的視点が不可欠であることを認識し、資産の非公開化を進めています。また、大規模コングロマリットがノンコア事業の合理化を進めており、複雑性に応じて変革を実行できる運用会社にとって魅力的な
買収機会が生まれています。

"Public market volatility is driving industrial management teams to pursue privatizing assets, recognizing that meaningful change requires a long-term outlook rather than quarter-over-quarter earnings scrutiny."

企業内部の戦略や外部投資家からの圧力に加えて、2026 年、そして今後数十年にわたり、この変革を後押しする2 つの世界的メガトレンドが進行しています。

まず、世界経済の基盤であるサプライチェーンにレジリエンスが求められています。しかし、新型コロナ、地政学的緊張、関税といった近年の出来事を受け、資本財企業は、多大なコスト増や混乱を回避するため、重要な製造工程の国内回帰を真剣に検討するよ

Figure 2: Deglobalization Is Delivering Rapid Growth in the U.S.

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Figure 6

Source: PwC, Strategy & Project Keystone Phase II: U.S. Manufacturing Activity Outlook, February 2025.

うになりました。この脱グローバル化の流れは、資本財企業のサプライチェーンを強化するのに必要な深い専門知識と多額の資本を提供できるプライベートエクイティ企業に大きな機会をもたらしています(図表6 参照)。

AI 主導のデジタル化は、世界中の企業を再形成するもう一つのメガトレンドです。資本財企業にとって、その導入はもはや必要不可欠です。多くの純粋なテクノロジー企業とは異なり、資本財企業は旧来のインフラストラクチャー、アナログ式のワークフロー、分権的な意思決定といった要素を抱えており、これらが現代化の取り組みを複雑にしています。

私たちの見解では、AI モデルが今後、コスト削減、人手不足への対応、製品ラインの革新、サプライチェーンの最適化など、資本財企業の変革において極めて大きな役割を果たすと考えています。これは「プラグ・アンド・プレイ」で済む取り組みではありません。高度な事業運営の専門性、深いセクター知識、そして業務の進め方そのものを再定義する能力が求められます。

資本財セクター以外でも、AI は必要不可欠なビジネスサービス分野に新たな機会を生み出しています。例えば金融サービスでは、AI が引受業務の自動化、損失予測の改善、不正の検知や防止の強化などを通じて効率性を高めています。金融インフラストラクチャーの領域では、銀行プラットフォームが競争力を維持するためには、アナログシステムを新時代のデジタルオペレーションへと転換する必要があります。

生産性向上の潜在能力

AI は、必要となる資本集約的な物理的なインフラストラクチャーの整備と、それによって生まれる効率性を背景に、史上最も影響力の大きい汎用技術となる可能性を秘めています。

私たちは、AI 主導の自動化によって世界のGDP が大幅に押し上げられ、今後10 年間で経済生産性の向上が10 兆ドルを超える可能性があるとみています20。こうした恩恵を受ける企業は、モデルを構築するテクノロジープラットフォームだけではありません。それよりも重要なのは、自動化やAI ツールへの投資を通じてデジタルトランスフォーメーションを加速させる資本財企業や必要不可欠なビジネスサービス企業なのです。

変革に向けた投資

資本市場の冷え込みが和らぐにつれ、プライベートエクイティの投資機会が熱を帯び、2026 年に向けて明るい見通しが広がっています。

特に特殊製造など、AI 主導のデジタル化が進むサブセクターを中心に、資本財分野で大きな活動が見込まれます。サプライチェーンの安全保障という重要なニーズと、止まることを知らぬAI の発展が産業の変革を推し進め、生産性と投資リターンの向上をもたらすでしょう。また、追加の利下げによって借入コストがさらに低下し、ディール活動が加速するとみられますが、業界の統合が進む中で、その恩恵を受ける運用会社はごく少数に限られる可能性があります。

プライベートエクイティにおいて、ファイナンシャルエンジニアリングの時代は終わり、これからの時代を規定するキーワードは、運営の卓越性です。本腰を入れて、ワークフローを考え直し、革新的なテクノロジーを導入する意欲を持つ運用会社こそが、これから訪れる機会を最大限に捉えることができるでしょう。

Endnotes

  1. Bain & Company, “2025 Global Private Equity Report,” March 2025. Figures are rounded.
  2. Bain & Company, “Leaning Into the Turbulence: Private Equity Midyear Report 2025,” June 2025.
  3. Prior performance is not indicative of future results and there can be no guarantee that the funds, future funds or their respective investments will achieve comparable results or be able to avoid losses.
  4. IDC, "The Business Opportunity of AI," November 2023.

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